2003 年天文・天体物理夏の学校 口頭発表 アブストラクト

輻射優勢円盤の MHD 数値実験

ブラックホールなどの降着円盤の数値実験には、ストレステンソルの非対角成分を対角成分に比例するとして、その比例定数をαとおくαモデルが使われてきた。Balbus, Hawley(1991) による磁気回転不安定性の再発見以来、降着円盤の時間発展を直接 3 次元磁気流体数値実験で追跡することにより、αパラメータを導入せずに円盤の構造、安定性進化などを調べることが可能になってきた。しかしながら、これらのシミュレーションでは輻射とプラズマの相互作用が無視されていた。最近、Turner ら(2001, 2002, 2003)は輻射圧優勢な円盤の局所数値実験を行っている。今回の発表では磁気流体標準コード CANS に輻射の効果を含めてシミュレーションを行い、彼らの計算結果と比較する。